インコと家族になる前に

お迎えの準備

  • 心構え

    ホオミドリウロコインコは、その習性でも述べたように、豊かな感情を持っていて、いつも「いっしょ」の心の交流を求めています。
    インコはあなたのことを心から好きになってくれます。
    従って、単に「インコを生かしている」と言う飼い方ではなく、「インコといっしょに幸せになる」と言う飼い方、暮らし方、そう言う気持ちが重要になります。
    ホオミドリウロコインコは、10年~15年の寿命を持ちます。
    それなりに長い期間になることも考慮に入れて、インコの命を預かる責任と、インコを幸せにする気持ちと、自分たちの飼育環境も冷静に考え合わせて、判断する必要があります。
    その心構えさえあれば、インコとの愛情あふれる楽しい暮らしが始められます。

  • 家族の同意

    同居している家族の方々も皆大賛成であれば何ら問題ないですが、動物アレルギーを持っていたり、臭いや鳴き声が我慢できない等、鳥嫌いの人が家族の中にいると苦労することになります。
    迎え入れる前に、今後のインコとの楽しい暮らしに悪影響を及ぼさないよう、家族の中で解決しておきましょう。

  • 鳴き声と住環境

    鳴き声は決して小さくはなく、お世辞にも万人が認める美しいさえずりとは言えません。
    鳥好きでない人からすると、耳障りな鳴き声とクレームを言い出す人もいます。
    集合住宅であったり、隣接している隣近所に対しては、何らかの音対策であったり、近所迷惑にならないような工夫や配慮が必要になります。

  • 噛む力

    先にも述べたように、体格の割に噛む力非常にが強く(第3の脚となるくらい)、噛まれれば、流血を伴います。
    これはウロコインコだけでなく、コニュア全般に言えることですが、咬傷事故を起こしやすいので、十分な注意が必要です。

  • 家具類の保護

    別にも記載しているように、屋内で放鳥するときには、タンスや額などの木製品が、かじられないような対策が必要です(かじりやすい形状があるようです)。
    特に塗装されている木製品は、その塗装が持つ毒性が、少量でもインコにとって有害になる場合が多く、特に配慮が必要です。

  • 飼育費用

    主にはエサ代ですが、遊び道具なども含めると、年間コストとしては、3万円くらいは覚悟しておいた方が良いです。
    ただ、おもちゃの類は、100均の材料で手作りすることもできますので(その方が楽しい)、工夫されてみてはどうかと思います。

  • ヒナから飼うか?若鳥から飼うか?

    雛を迎えて、愛情を目一杯注いで育てたい・・・と思われる方が多いですが、差し餌に慣れていない方、比較的短い時間間隔の定期的な差し餌ができない方は、「一人餌に移行済みの幼鳥」「手乗りとしてかわいがられている若鳥」を迎えるのがベストです。
    人間による差し餌で育てられたインコは、人が変わっても十分に懐いてくれます(もちろん、手に乗ってくれます)。
    差し餌が可能な方は、春か秋にペットショップで「ヒナ」を迎えるのがオーソドックスな選択になります。

インコの成長過程を知る

  • 初生ヒナ

    孵化し、巣箱の中で親鳥が育てている期間。孵化後~20日齢まで。人間では新生児期。

  • 差し餌ヒナ

    巣箱から取り出しからひとり餌切り替えまでの期間。20~50日齢。人間では乳児期。

  • 幼鳥

    ひとり餌切り替え後、雛換羽まで。50日~6か月齢。人間では幼児期から8歳。第一反抗期「イヤイヤ」時期

  • 若鳥

    ヒナ換羽から性成熟期まで6か月~10か月齢、人間では8歳から13歳まで。やんちゃなギャングエイジ

  • 成鳥前期

    性成熟から繁殖適応期まで。10か月~1歳半、人間では13歳から18歳まで。第二反抗期でキレやすい時期。性成熟前期。

  • 完成鳥

    繁殖適応期。1歳半~6歳、 人間では18~35歳の成年期。性成熟完成期。

  • 安定鳥

    繁殖引退から円熟期まで。6歳~10歳、 人間では35歳~50歳 中年期(更年期)

  • 高齢鳥

    円熟期以降

健康なインコを迎えるには

健康で元気なインコを選びたいと誰もが思われます。見分けるチェックポイントがいくつかあります。

  • ヒナを迎える場合のチェックポイント

    ・敷きワラをいじったり、いろいろなもので遊んでいるインコは好奇心旺盛
    ・元気がなく寝てばかりではないか(ヒナは元気であるべき)
    ・クチバシのかみ合わせが正常か
    ・歩き方がおかしくないか
    ・全体的にずっしりしていて、足が太いか
    ・指や爪が欠けていないか
    ・涙目になっていないか
    ・餌をよく食べているか、よく動きまわっているか
    ・羽毛が汚れてないか(病気の場合、嘔吐や下痢で汚れている)
    ・翼に力が入っていないことはないか
    ・ケースの外で指を動かし、その動きを目で追うようなインコは人に慣れやすい

  • 若鳥を迎える場合のチェックポイント

    ・体格が正常で活発であるか。エサをよく食べているか
    ・外見や動作におかしいところはないか。フンは正常か
    ・「なでて」と頭を下げるインコはフレンドリー
    ・人間の姿を見てケージの奥からいそいそと前面に寄ってくるインコは人間好きな個体

必要なグッズ

安全性や健康に配慮するのはもちろんインコが楽しく快適に過ごせるようにさまざまな工夫をして下さい。

ヒナを迎える場合

  • ケース

    ヒナの場合は、温度や湿度の管理が必要になるので、この管理が容易なプラケースで育てるのがベストです。ガラス水槽でも可です。
    将来も病気看護用に使えるので、雛としては少し大きめの30cmくらいかそれ以上のものが便利です。
    ケースの底にはキッチンペーパー等を敷いて、その上から柔らかいウッドチップなどの床材を敷いておきます(滑らないようにするためと、糞尿の吸収)。
    ウッドチップがなければ、キッチンペーパーをちぎったもので代用できます。

  • 保温器具

    ヒナには親鳥の温かさが必要になります。
    どんなに暑い時期でも、保温器具は必ず用意し、ケース内の温度を常に27~30度程度に保ちます(最初はペットショップと同じ温度環境を再現する方が無難)。
    保温器具としては、シートヒーターが使いやすいです。
    ケージの床半分くらいに敷き、暑い/寒いに応じて雛が適温位置を選べるようにできます。
    最悪、使い捨てカイロを敷くことも可能ですが、体調を崩した場合等、急を要するときの必需品になるので、準備しておく事をお勧めします。
    ヒヨコ電球でもOKですが、一定温度にコントロールするサーモスタットは必須です。
    あと、やけど対策(別容器に入れる)にも配慮する必要があります。

  • 差し餌グッズ

    主にパウダーフードを使うことが前提になるので、くちばし様に先が細くなったインコ用の差し餌スプーンが便利です。
    特に、ウロコインコなどのコニュアは、ヒナの時の口が大きく、このスプーンが使いやすいです。
    もちろん、シリンジ+チューブでも可です(インコがスプーンを嫌がったり、慣れていない方の場合は、シリンジの方が扱いやすいかもしれません)。
    野生下では、親鳥が食べて咀嚼したものを戻して与える為、体温と同じくらいの温度(40℃~42℃)に管理することが重要になります。
    慣れてくると大体の温度感がつかめてきますが、初めての場合は、温度計があると便利です。
    料理用のスティック式が使いやすく、意外と重宝します。

  • 温湿度計

    ケース内を適温・適湿に保つ必要があるため(気温:26〜30℃、湿度:60〜70%)、ケース内に設置して定期的に確認する必要があります(思わぬ事故を防ぐことができます)。
    温湿度計の設置場所は、好奇心旺盛なヒナがいたずらできない位置としておく方が無難です。
    センサと表示本体が分離されているタイプ(無線で通信)であれば、ヒナの近くにセンサユニットを置いておくことができるので、安全・安心です。

若鳥・成鳥のためのグッズ

  • ケージ

    複雑な形のケージは翼が引っかかる原因になるので、四角いオーソドックスなタイプで、ウロコインコが羽を広げて窮屈にならない程度の大きさにします(最低でも一辺が35cm以上、できれば45cmくらい)。
    特に遊び道具を入ると、どんどん窮屈になるので、設置スペースが許す限り大き目の方が望ましいです。
    本来は、ある程度の飛翔空間を持たせ、運動不足を回避したいところですが、一般的には難しいものがあり、1日1回程度の放鳥は必要不可欠になります。
    ケージの金網は、太く、横網が理想です(ウロコインコはくちばしの力が強く、このくちばしを使って金網を移動します)。
    開閉部は油断すると学習して勝手に外して出ることもあるので、ナスカン等で止められる仕様がベストです。
    その他、上部の金網が開く仕様や、出入り口が大きく、T字型の止まり木あるタイプは、放鳥時に便利です。
    ケージメーカー各社からインコ用のものが販売されていますので、その中であれば、基本的にどれを選んでも大丈夫です。
    耐久性を考えると、糞尿による腐食進行は意外と早いので、ステンレス製の金網をお勧めします(高価ですが、インコの寿命を考えると、買い直すよりはましです)。
    その他、掃除などがしやすく、管理面に便利で、衛生的に保てるケージが良いケージです。

  • 止まり木

    ケージの中では、ほとんどの時間をこの止まり木の上で過ごすことになります。
    ケージについている止まり木は、木製であればOKで、プラスティックは避けた方が無難です(かじることが前提になるので)。
    太さに関しては、前後の爪の間に少しすき間ができるくらい(1/4~1/3くらいの隙間)が丁度良く、ウロコインコの場合は、15mm~20mmくらい。迷ったら少し太めでもOKです。
    理想の止まり木は、「インコの足のサイズに合った天然の枝」です。
    天然の枝は、太さが均一でない上に表面に凹凸があるため、足の裏の同じ個所に負担が集中せず、足の裏を均一に使えます。
    また、自然と爪が研げるだけでなく、足の裏の掃除も出来てしまいます。
    ただし、庭木などでの自作は避けてください(しないでください)。
    木材によってはインコに有害なものもあり、乾燥&殺菌消毒も必要ですので、必ず、信用できるショップさんで購入して下さい。
    後は、適度に飛び移れる本数を段違いで取りつける(2段あれば十分。
    多すぎると羽を広げられなくなり、それもストレスになります)、取りつけ位置を、鳥が止まったときに尾羽が底の桟につかない高さの位置にする、と言う注意点を守ればOKです。

  • 水浴び用の浴槽

    インコの水浴びに関しては、放鳥時などにケージの外で行うのであれば、洗面器や植木用のトレイなど、浅めで羽を広げることが出来る器で十分です。
    可能であれば、安定性のある陶器製のものがよいです。
    ケージの中で行う場合は、内掛け式、外掛け式、据え置き式等、専用のバードバスが市販されています。
    全体を覆うケースになっているタイプは、水が周囲に飛び散らず便利です。
    据え置き型は、水浴びをする時にだけケージの中に入れる等、糞尿が入らないように気を付ける必要があります。
    あと、洗面台に水をためて遊ばせるという方法もありますが、周囲にはインコにとっての危険がたくさん潜んでいる(場合が多い)ので、十分な安全確保が必要です。

  • バードトイ

    若鳥の段階からおもちゃは必需品になります。
    かじり系から知育系まで様々なおもちゃが市販されていますので、選ぶのが大変ですが、かじり系と体育系、知育系などがあれば、十分です。
    木質系のおもちゃは、間違いなくかじられ、破壊されていきますので、念頭に置く必要があります。

  • ローパーチ

    放鳥時の休憩や、ちょっと待ってもらいたいときなどに止まれる小さなスタンドがあると便利です。
    アスレチックになっているような豪華な止まり木など、種類も豊富です。

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