インコと上手に付き合うために
目次
- 1 しつけについて
- 2 インコの健康のために - 疾病と予防及び対処法
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3 インコのしぐさについて
- 3-1 伸び
- 3-2 尾羽をバタバタ振る
- 3-3 尾羽を最大に開く
- 3-4 止まり木の上をタタタと右往左往
- 3-5 頭を上下に振って食べた物を吐く
- 3-6 翼を少し肩から離してワキワキと震わせる
- 3-7 頭を上下に振る
- 3-8 近づいてきて頭を下げる寄り添ってくる
- 3-9 翼をひろげて歩きまわる
- 3-10 止まり木にクチバシを打ちつける
- 3-11 顔の羽毛を膨らませて左右にゆらゆら揺れる
- 3-12 両方の羽を「バタバタ」と開く
- 3-13 顔の羽毛をふくらませてフーッと息を吐く
- 3-14 クチバシをギョリギョリ言わせてしる
- 3-15 口を半開きにして舌をモグモグと出し入れする
- 3-16 ボーッとしながら片足わ上げ、自分の首やあごをゆっくりかく
- 3-17 紅彩を広げたりせばめたり(フラッシュ)
しつけについて
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最初に
ウロコインコは頭が良いので、トレーニング次第で、飼い主の簡単な指示を理解できるようになります。
教えるときの鉄則は、「焦らず」「慌てず」「あきらめず」です。押しつけや強制になると、対等な関係を好む鳥は言うことを聞いてくれません。
結果を出すには時間がかかるので、諦めないで根気よく取り組むことが、ひいては信頼関係の醸成にもつながります。
その中でも基本になるのが、手乗りと呼び寄せ。
まずはこの2点のしつけにトライしてみましょう! -
手乗りトレーニング「乗って!」
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①手への安心感を作る
手乗りの成鳥を迎えた時にも最初の2日は静かに見守り、それからケージ越しになでたり餌を上げたりします。
この時、名前を入れて優しく声をかけてください。 -
②スキンシップ
手への恐怖感がなくなったらケージの扉を開けて、そっと手を入れて軽くスキンシップ。
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③手乗りに挑戦
インコの下腹部の前に指を差し出すと、鳥は条件反射で片足をかけてくるので、ゆっくりと指を上げます。
そうすると、バランスをとるためにもう片方の愛も乗せてきます。 -
④ケージ内で訓練
翌日からは順調に乗ってくるので、この時「乗って!」と決まったフレーズを言います。
左手に「乗って!」そこから右手に「乗って!」と、掛け声に合わせて自由に乗り替え可能になるまでケージ内で訓練します。 -
⑤ケージの外でも訓練
止まり木から手へ、手から他人の手へ、手から棒へ、棒から止まり木へ、と自在にコントロールできるように少しずつチャレンジします。
失敗したら、うまく行くまでトライして、出来た時には優しく褒めてごほうびを!
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呼び寄せトレーニング「おいで!」
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①ケージ内で「おいで!」
鳥が止まり木にいるとき、少し離れたところに指を置いて「おいで」と呼びかけます。
ちゃんと指に飛び乗ったらやさしく褒めてご褒美。徐々に距離を伸ばしてこれを繰り返し、ケージの扉まで来るように根気よく練習します。 -
②ケージの外で「おいで!」
ケージの扉まで来れるようになったら、今度はケージの外10cmくらいの所に指を置いて呼び寄せます。
20cm、30cmと距離を伸ばしていき、50cmくらいまでできるようになれば、放鳥しても大丈夫なレベルです。
次は、どこにいても「おいで!」と声を掛け、戻ってこれるように練習し、出来たらやさしく褒めてご褒美。
これができるようになると、ケージに戻す時や、危険な行動をする前に「おいで!」と声を掛けることで、インコを事故から守ることも可能になります。
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インコの健康のために
- 疾病と予防及び対処法 -
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最初に
鳥の一般的な病気は、飼っている環境と栄養に関連していることが非常に多いものです。
いったん進行すると、回復困難な病気も多くあるので、普段からの予防・対策が非常に重要になります。
日ごろの管理においては、
① 栄養管理(運動量とのバランス)
② 温度管理
③ 衛生管理
の、3 点に十分注意を払うことが、予防対策の基本になります。
鳥は病気や異常を悟られないように、相当体調が悪くても、人の気配がしたり人の姿を見たりすると、 緊張して外見上元気にふるまう動物です。
体の小さい動物のため、病気に対する抵抗力があまりありません。
また、飛ぶために体をできるだけ軽く保つ必要があるので、栄養を蓄えておくことができません。
そのため、ほかの動物と比べて病気の進行は早くなります。
普段から人を意識しないときの鳥の様子を十分に観察する習慣が早期発見につながります。
また、糞は健康のバロメーターになるので、毎日の掃除のときに必ず確認するようにします。
病気になると、多くの場合止まり木の上や床の上で羽をふくらませてうずくまるようになります。
これは体温が下がっている状態です。
通常39〜43°C の体温を保持していますが、食欲不振時や疾病時には体温が急激に低下します。
このような状態を確認したら、すぐに鳥籠内の温度を30℃〜35℃まで上げることが必要です。
早期に適切な保温ができたかどうかで、その後の結果を大きく左右するといっても過言ではありません。
鳥が止まり木に止まっていられないほど弱っているようならば、病気の末期の可能性が高いです。
日ごろから変化に気を付けるポイントは以下の通りです。
異常の早期発見の参考にしてください。
① 何となく元気がない
② 羽をふくらませ、体を丸くして動かない
③ 目は閉じているか、しよぼつかせている
④ 顔を羽の中につっこんでいる
⑤ さえずらない、鳴き声がいつもと違う
⑥ 食欲がない
⑦ 尻のまわりの羽毛が汚れている
⑧ 鼻水や涙が出ている、くしやみをする
⑨ 形のない糞、色がいつもと違う糞をする
⑩ 糞の量が少ない
⑪昼間も居眠りばかりしている
⑫体重が減った
その他、インコの健康に対して、気つけるべきポイントとして、日光浴と睡眠があります。 -
日光浴
日光を浴びるとホルモンバランスが整えられ、カルシウムを体内に吸収するためのビタミンD3が体内合成されます。
ガラス超しの日光浴では、ビタミンD3合成に有効な紫外線がカットされてしまうので効果ありません。
かならず、直射日光による日光浴とします。
真夏日など、暑すぎた場合に鳥が日かげで休めるように、ケージの一部に段ボールや新聞を乗せて、日かげを作ることがも大切です。
ケージを屋外に出す場合は、ケージの扉をナス環などで止めて、万が一にも開かないような配慮も必要になります。
毎日30分程度日光浴出来れば理想的ですが、週に1回~2回、1時間程度でもOKです。 -
睡眠
インコに関わらず、鳥は一部の例外を除いて、典型的な昼行性の生き物です。
日出ととともに活動を始め、日没とともに眠る。
これが野生下での生活リズムです。
ところが、人間と暮らすとインコの生理生態を無視した夜型生活というまでもありません。
この生活リズムが狂うと、病気や問題行動にの原因になります。
光周期の乱れが起きて、無用な発情や過剰産卵なども招きかねません。
これらの問題を防止するためには、何より規則正しい生活をすることが大切ですが、様々な工夫で鳥にできるだけ負担のかからない配慮をすることが必要です。
日の出の時間にタイマーセットの照明をつけたり、日没の時間にはケージカバーや遮光カーテンで光を遮り眠らせてあげる、等、自然で規則正しい形を維持することで、ストレスを和らげることが肝要です。
インコのしぐさについて
インコのしぐさを観察していると、ある程度、インコの考えていることが分かるようになります。
簡単で分かりやすい「しぐさ」を列挙しますので、インコとの意思疎通に役立てて下さい。
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伸び
左、右と片翼・片足を伸ばし、最後に両翼を伸ばします。「開始行動」と呼ばれるもので、くつろいだ満足状態から「さぁ始めるぞ」 というときにみられます。
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尾羽をバタバタ振る
「終了行動」とよばれるもので、インコがある活動を満足のうちに終了したときに見られます。満足の度合いが高いと、羽毛をボワッ とふくらませたあとにすることがあります。
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尾羽を最大に開く
たいていの場合は、いばっている時、相手に大きく見せようとしているときです。
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止まり木の上をタタタと右往左往
遊んでほしくてしかたないという状態です。
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頭を上下に振って食べた物を吐く
愛情が最高潮に達して、吐き戻しのプレゼントをくれています。しかし、顔を左右に振って吐く場合は病気の可能性があり要注意です。
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翼を少し肩から離してワキワキと震わせる
典型的な「おねだり」のポーズ。遊んで欲しい、おやつが欲しいと甘えています。
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頭を上下に振る
ゴキゲンの状態。ウキウキしているときに行います。
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近づいてきて頭を下げる寄り添ってくる
頭やほおをなでて、と甘えています。
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翼をひろげて歩きまわる
自らのテリトリーを巡回して、なわばり内の平和に満足しています。
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止まり木にクチバシを打ちつける
オスのディスプレイ行動か、単にミュージックで遊んでいるだけです。
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顔の羽毛を膨らませて左右にゆらゆら揺れる
怒りが最高潮に達し、威嚇しています。近づかないほうが良いでしょう。
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両方の羽を「バタバタ」と開く
イヤなことがあったあとに気を静めています。「もうやめてよっ!しつこいな」という意思表示であることも。
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顔の羽毛をふくらませてフーッと息を吐く
怒りを感じている状態。そっと見守りましょう。
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クチバシをギョリギョリ言わせてしる
眠いときに行います。明日に備えて刃を研いでいます。
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口を半開きにして舌をモグモグと出し入れする
今の状態にご満悦のときに見られます。
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ボーッとしながら片足わ上げ、自分の首やあごをゆっくりかく
「ヒマだから遊んでよ」というお誘いであることかせ多いようです。
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紅彩を広げたりせばめたり(フラッシュ)
何か興味を引く物をみつけたか、興奮がたかまりつつある状態。肩をいからせながらのときは、攻撃のポーズであることも。