ウロコインコってどんな鳥?

ホオミドリウロコインコとは

インコとはオウム目インコ科に属する鳥で、64属270種もの種類に分類されます。
ホオミドリウロコインコは、この中でもオウム目インコ科ウロコメキシコインコ属に分類される体長約25cm、体重60~80gの中型のインコです。
俗称ではホオミドリアカオウロコインコとも呼ばれ、その名前の通り、頬が緑色で首周りにウロコ模様があり、尾羽根の赤いインコです。
寿命は10年~15年程度ですが、飼育下では30年も長生きした記録もあります。
学名はPyrrhura molinaeですが、一般的には英名表記でのコニュア(Conure:Green-cheeked Conure)の仲間として扱われます。
コニュアとは、鋭い鉤型のくちばしをもち、尾が長く、羽が緑色のインコの総称で、主には、ウロコメキシコインコ属、クサビオインコ属、クロガミインコ属、イワインコ属などの南米原産のインコを指します。
なお、野生のウロコインコは、ブラジル、ポリビア、アルゼンチン等に生息しており、ペットとしては古くから愛玩されていて、日本では2006年頃からペットとして飼われ出しています。
色変わりの個体も複数作出されていて、代表的なカラーには次のようなものがあります。

代表的なカラー

  • ノーマル

    原種そのままのカラー。頬に緑色がある所が名の由来になっています。
    その他、頭、くちばし、脚、爪が黒色、首周りのウロコ模様が白黒、羽根全体が緑色(一部風切羽根に青色が入る)で、尾は鮮やかな濃い赤です。
    暗めの配色ですが、大変美しい色合いです。

  • ワキコガネ(イエローサイド)

    名前の通り、脇からお腹の部分が黄金色(イエロー)でお腹部分は鮮やかな赤になります。
    ノーマルを派手にしたイメージで、色のコントラストが強い個体です。
    イエローサイド変異(オパーリン変異)と呼ばれる遺伝形態で、野生でも稀に見られます(この為、ホオミドリウロコインコとは別種と思われていた)。

  • シナモン

    ノーマルから、メラニン色素の欠落により、黒、グレーが抜け落ち、全体的に明るく淡い色合で、ノーマル系とは違った美しさがります。
    その明るい感じが人気で、ショップでもよく見かけることができます。

  • パイナップル(シナモンオパーリン)

    先に紹介した、「ワキコガネ」と「シナモン」両方の特徴が出ているのがパイナップルです。
    全体的にシナモンなのですが、脇の黄色とお腹の赤色の色目が強く、特に頬に赤色が入ります。
    シナモンよりもはっきりした色合いで、派手なイメージです。
    赤、黄色、緑のコントラストが鮮やさが美しく、非常に人気が高いウロコインコです。

  • パイナップル(シナモンオパーリン)

    ノーマルから黄色と赤色の発現が阻害され(ターコイズ因子)、黒と青と緑の配色となったウロコインコです。
    シナモン系とは違った美しさがあります。
    ブルーワキコガネやブルーシナモン、ブルーパイナップルと言った色変わりの他、グレーの因子が乗ってさらに青みを増したバイオレットも非常に美しいウロコインコです。

これらの他、サンチーク(パイナップルのダイリュート)、ミント(ブルーのダイリュート)、ルチノー等の稀少カラーもありますが、まだまだレアカラーの部類です。

生理生態

  • 知能

    オウム目の大型の種は、鳥類の中でも非常に高い知能を持っています(ものまねが得意)。
    同じオウム目のウロコインコも、小さいながらも大型種に準ずるくらいの高い知能・記憶力を持ちます(コニュアは総じてみな賢い)。
    短い単語であれば覚えることもできますし、歌うこともできます。トレーニングによっては、比較的簡単な芸や、からくりのおもちゃの解き方も覚えたりする子もいます。

  • 視覚

    視覚は鳥類で最も重要な感覚器で、オウム目の種は人間の4~5倍の視力を持ちます。
    色彩に関しても4種類の視細胞を持ち、人間では見えない紫外線も識別できます。
    ウロコインコの視覚もこの特徴を有しており、ごく近縁の種類をわずかな羽彩の違いで識別することもできます。

  • 聴覚

    聴覚も鳥には重要な感覚器なのですが、飛ぶことを優先するあまり、空気抵抗になる耳たぶのような集音構造は無く、羽に隠れるように小さな耳孔があるだけです。
    この為、人間の聴力に比べると劣ります。ただ、森林に生息するオウム目などは、外敵から身を守る場合には聴覚に頼ることも多く、それなりに発達しています。
    ウロコインコも、聞き慣れない音には強い反応を示し、掃除機などの騒音を聞くと、途端に騒いだり、TVの音に対して落ち着かない様子が現れたりします。

  • 嗅覚

    一般的に鳥類には嗅覚があまり発達していません。
    ウロコインコも嗅覚は鈍いとされています。
    しかし、雛や卵に他の臭いが付くと抱卵をやめたり育児放棄につながったりもしますので、最低限の嗅覚だけは持ち合わせている様です。

  • 味覚

    オウム目は、他の鳥類と比べて味覚細胞の数が多く、味覚に優れているといわれています。
    食性により差がありますが、甘味に敏感で甘いものを好み、果食型の鳥は酸味にも敏感です。
    ウロコインコも果物が大好きで、野生下においても種子類や野菜の他、果物もかなり食しているようです。
    一方、辛みはほとんど感じないようで、赤唐辛子などを平気でかじります。

  • ウロコインコのくちばしは、外見上は猛禽類とよく似た鋭い鉤型をしていますが、上嘴は関節により多少動かすことが可能で、種子を食すのに適した形態になっています。
    また、種子の殻を割る必要がある事から、体形の割に噛む力は強く、この力がある事で、嘴を第3の脚のように上手に使うことができます。

  • 鳴声

    森林に生息するオウム目は、視界が開けていない環境のため、必然的に鳴き声は大きく、響き渡ります。
    しかも、お世辞にも聞き惚れるようなさえずりとは言えず、どちらかと言うと耳障りな鳴き声です。
    ウロコインコもこの特徴に同じく、小さな体からは想像できないほどの大きな鳴き声を発します。

  • ウロコインコは、小さいながらも、大型オウム目の特徴である「器用に左右交互に脚を使って木を登り降りできる」「物をつかんで器用に自分の嘴に運ぶことができる」というの特徴を有しています。
    一方、枝の間を飛び移って移動するように進化したので、地上を歩くことは苦手です(アヒルのようにヨチヨチ歩きます。
    スズメのような小刻みなジャンプはできません)。

習性

  • 懐くとべったり

    ウロコインコは総じてペア同士の絆が強く、集団での仲間を大切にします。
    これは、捕食されやすい動物の場合、集団で居ることが唯一の武器になるからです。
    この為、ペアや仲間と「いっしょ」にいることで安心し、「いっしょ」であることを好み、「いっしょ」を共有したい鳥なのです。
    野生でも一夫一婦制で、パートナーのそばを離れず、いつも「いっしょ」です。
    従って、愛情を込めて飼育をすると、飼い主を「仲間」や「パートナー」と認識し、べったり懐いてくれます。
    飼い主さんの後を追いかけてくる姿は、とても可愛らしくついつい抱きしめたくなります。
    ウロコインコは飼い主さんに抱きしめられることを好む子も多く、ポケットや服の中に潜り込むことも大好きです。
    まさにコンパニオンバードとして、飼い主に寄り添い、心を満たしてくれる存在になります。
    逆に仲間から離れ孤立することは恐ろしいこと。
    人に懐いたウロコインコは、周りに人がいなくなることで孤立する不安になり、「呼び鳴き」につながったり、飼い主さんが他の家族と仲良くすると嫉妬してしまい、威嚇、噛みつくといった行動につながることがあります。
    このような場合、同居している全ての人と「いっしょ」に遊んだり、コミュニケーションをとることで、時間をかけてインコの嫉妬心や敵対心を和らげる工夫が必要になります。

  • 遊び好き

    コニュアは全般的に好奇心旺盛で探求心があり、ウロコインコも何かと遊ぶことが大好きです(野生下でも結構遊んでいます)。
    特に何かをかじって遊ぶことが大好きなので、木材などでできた、かじれるおもちゃは必須アイテムです。
    また、賢い頭脳の持ち主なので、知的好奇心も高く、どうやっておいしい餌をゲットするか?といった少し難しめのおやつの与え方や、知育グッズを与えると、意外と解いてしまうことも多くあります。

  • 構って欲しい

    ウロコインコは、飼い主と「いっしょ」に遊ぶことはもちろん、スキンシップを取ることや、同じ時間を過ごす事が大好きです。
    愛情を込めて育てることで、インコは飼い主の手にカラダを預けてくれるようにもなり、手のひらの上で転がって、ニギニギさせてくれたりします(インコならではの行動で、他の鳥類ではなかなかできないスキンシップです)。
    楽しさや面白さが共有できると、絆がより深まって行きます。
    逆に、あまり構ってもらえず、退屈させてしまうと、様々な問題行動(毛抜き、呼び鳴き、等々)に繋がってしまいます。

  • 1羽飼いの方が望ましい?

    1羽だけだと寂しいかも・・・と心配してしまいますが、人のコンパニオンバードとなっているウロコインコは、飼い主を仲間、あるいはパートナーとして認識しています。
    なので、そのインコに、別のインコをあてがっても仲良くなるとは言えず、逆に縄張りを荒らす侵入者に見えてしまうので、攻撃的になってしまう場合があります。
    従って、より飼い主さんに懐きやすくするためには、一羽飼育の方が向いているケースが多いと言えます。

  • 縄張り意識

    野生下におけるインコは、自分たちの餌場なり、テリトリーを持っています。
    ウロコインコは好奇心旺盛な性格の反面、攻撃的な一面も併せ持っているので、複数飼育には注意が必要です。
    同じウロコインコ同士はもちろん、ほかの種類の鳥類、動物であっても攻撃対象となります。
    どうしても同じケージに迎え入れたい場合は、禽舎のような広い環境に移すか、あらかじめお互いが見えるところでお見合いをさせておいて、慣れさせてからにします。

  • 高さで性格が変わる

    野生下でのウロコインコの主たる外敵は猛禽類です。例外なく上からの攻撃となります。
    従って、「自分の身を守るためには、自分が一番高い所にいる」、事が何よりも重要でなり、上に居る方が上位、下にいる方が下位と考える習性があります。
    これにより、飼い主さんやその家族の目の高さよりも、インコの方が高い位置にいると、自分のほうが優位と勘違いして、噛むと言った攻撃に転じることがあります。
    このような場合は、ケージの設置高さを調整することで解決できます。

  • 実はほとんど手乗りになる

    自然界では人間に対し警戒心を解くことはほとんどありませんが、雛から育てることで、容易に手乗りにすることが可能です。
    差し餌を通じて、人の手が、自分にとって有益で害がないことを学習していきます。
    このように育てられたインコは、一人餌になっても人の手を怖がらずに手に乗ってくれます(人間に慣れているので、個人を選ばない)。
    では、成鳥になってからではダメかと言うと、そうでもありません。
    少しずつ信頼関係を築き、人への警戒心を解き・・・焦らず、根気よく、忍耐強く続けていれば、半年もあれば手乗りになってくれます。
    ただ、成鳥のインコを手乗りにしたい場合は、1羽飼いをお勧めします(2羽だと懐きにくい)。
    また、成鳥から手乗りを始める場合、オスの方が無難です。
    メスの方が懐きやすいのですが、メスが人に懐いてしまうと、飼い主をパートナーと誤認し、過発情を起こすことがあります。
    産卵関係の疾患予防の観点でもオスの方が安心です。

  • 昼行性

    ウロコインコを含め、鳥類(一部の例外を除く)は典型的な昼行性の生き物で、日出と共に活動を始め、日没と共に眠ります。
    ところが、人間と暮らすと、インコの野生下での生活リズムを無視した夜型生活を強いることになります。
    こうした無理が、鳥の体内バランスを崩し、病気や問題行動の引き金になります。
    ・長すぎる余暇時間が退屈を生み、毛引きや自咬みといった自傷行為につながる。
    ・光周期の乱れが、無用な発情や過剰産卵を招く(日照時間の変化で発情のスイッチが入る)。
    これらの問題を防止する為には、可能な限り自然光の下で飼うことが望ましいですが、日の出の時間にタイマーで照明を灯けたり、日没の時間にケージカバーで光を遮る、等、飼い主側の工夫が必要になります。

  • 一人遊び

    野生下では、生きるために精一杯時間を使うので、ヒマになる事はほとんどありません。
    従って、「退屈」は度が過ぎると大きなストレスになります。
    飼い主が日中不在にする等、インコが一人で過ごさざるを得ない場合、インコをヒマにさせない「一人遊びの習慣」が大切になります。
    おもちゃを与えたり(音のでるおもちゃ、かじるおもちゃ、ブランコなど動くおもちゃ、考えるおもちゃ、等々)、タイマーで音楽が流れたりする変化も有効です。
    色々な方法で好奇心を満足させ、退屈にさせない工夫が大事になります。

  • かじる

    木々をかじる行為は、遊びでもあり、ストレス解消でもあり、インコのとても大好きな行為の一つですが、かじることで伸びたクチバシを削って整えるという習性も併せ持っています(何もしないと、インコのくちばしはどんどん伸びていきます。)
    自然界では、木々にクチバシでつかまったり、登ったり、種の硬い殻を剥く作業など、くちばしが自然に削れる機会がたくさんあります。
    なので、飼育下においても、そういう機会をケージ内に準備しておくことが重要です。
    木製止まり木も好んでかじりますが、遊びを兼ねた木製グッズなどはとても有効です。

  • オス・メスの区別

    オスの頭部はメスよりも大きいと言われていますが、個体差が激しいため、性別の判断は非常に困難です。
    卵を産んで初めて、メスであるとはっきり判別することができる程度です。
    オスとメスでは繁殖行動に違いがあるので、じっくり観察していれば、その違いから判別できる場合もあります。
    どうしても性別を判別させる必要がある場合には、動物病院などで、検査を受けることになります。

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